後継者を誰にするか、創始者(文鮮明師)の態度はハッキリしなかった?
『統一教会の分裂』(UCIグループ金鍾奭著)では後継者を誰にするか、創始者の態度はハッキリしなかった(69~70ページ)と述べますが、事実とは違っており、お父様のご意思は明確なものでした。
お父様は、「先生が霊界に行くようになればお母様が責任を持つのです。その次には息子・娘です。息子がしなければなりません。息子がいなければ、娘がしなければなりません。後継する者が誰だということは既に伝統的に全て(準備が)なされています」(マルスム選集318-260)、「私(注、お父様)がいなくても、お母様の前に一番近い息子・娘が第三の教主になるのです」(マルスム選集、202-83~84)と明言しておられます。
このように、お父様は後継に関する〝秩序〟をハッキリ語っておられ、まず、「先生が霊界に行くようになればお母様が責任を持つ」ということであり、次に「息子・娘」ということです。
そして、注目すべき点は「息子がいなければ、娘がしなければなりません」と語っておられる点です。このように、お父様は、相続者としての〝後継〟の問題について、明確にその秩序を述べておられます。
さらに、「先生が一人でいても真の父母様の代身であり、お母様が一人でいても真の父母様の代身です。『レバレンド・ムーンが古希を過ぎて七十を越えたので後継者が現れないのか?』そんな言葉はやめなさい。……先生が第一教主、その次に、お母様は第二教主だということです」(マルスム選集、201-126)とも明言しておられます。
ところが、2000年3月31日、原理研究会世界会長に顯進様が就任し、その関係者が顯進様をお父様よりも前面に押し立てて報告するようになると、お父様は同年5月31日、「父の伝統に従って、母の伝統に従って、三番目に息子である。それを知っているの? ……母の伝統を立てる前に息子の伝統を立てることができないことを知っているの?」(マルスム選集323-83)と語られ、父と母が立てた伝統に従って息子が伝統を立てるように忠告しておられます。このように、お父様のご指導は明確なものであった事実を知らなければなりません。
ところで、『統一教会の分裂』を読んで懸念するのは、そこに書かれた主張が、いわゆる反対派の「真の父母」を不信させようとする統一教会批判と驚くほど酷似している点です。日本統一教会では、信者に対する拉致監禁を伴った強制的脱会説得事件が長年にわたり起こってきました。
その際、反対牧師、反対弁護士、ジャーナリストらがその背後にあって父兄たちを教唆するなど、脱会説得事件に関わってきました。1993年3月6日の山崎浩子さんの失踪事件の背後には、有田芳生氏や石井謙一郎氏らジャーナリストによる山崎さん入信スクープがあり、強制的な脱会説得事件の一翼を担った立場での報道がなされました(参考、太田朝久著『有田芳生の偏向報道まっしぐら』賢仁舎)。
『統一教会の分裂』に書かれた〝ストーリー〟は、反対派の一翼を担う報道をした石井謙一郎氏による統一教会批判と極めて酷似しており、石井氏の批判をわざわざ135ページで紹介しています。長年、統一教会の反対運動をしてきたキリスト教関係者をはじめ反対派が、統一教会を批判するUCIにすり寄って、その内部に忍び込み、天の摂理妨害に加担し、〝工作〟をしているのではないかと疑わざるをえません。
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