〝祝福家庭を「養子養女」とする誤り〟および〝創始者の使命は特定の宗教の創設ではないとする欺瞞〟

FPA,UCI,顯進様郭グループの特徴

UCI(いわゆる「郭グループ」)側を支持する人々は、金鍾奭著『統一教会の分裂』(日本語訳)を、2016年の秋頃から日本で集会を行って広めています。
統一教会の伝統に関する顯進様のアイデンティティのうち〝祝福家庭を「養子養女」とする誤り〟および〝創始者の使命は特定の宗教の創設ではないとする欺瞞〟について明らかにします。

祝福家庭を〝養子養女〟とする誤り

注、真の父母様のみ言および家庭連合側の主張は、「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側及び反対派の主張は「茶色の字」で区別しています。

まず、問題となる金鍾奭著『統一教会の分裂』(日本語訳)の部分を引用します。

 「特異な事実は、文顯進の血統認識にある。……文顯進は自分を神様の血統が復帰された人類最初の真の家庭の一員として自分の血統を絶対的次元で認識しており、祝福家庭を真の家庭に『接ぎ木されて神様の血統』に復帰された拡大された真の家庭であり、養子養女の家庭であると認識する」(65ページ。注:太字は教理研究院による)

 上述の内容によれば、「真の家庭を真の父母様の直系の家庭」と定義し、祝福家庭を「拡大された真の家庭であり、養子養女の家庭」と述べており、神の血統が「神様→真の父母→真の家庭→拡大された真の家庭」として連結されると主張しています。
 しかし、この主張は、原理と食い違った内容となっています。

 まず、『原理講論』を引用します。

 「いくら信仰の篤いキリスト教信徒でも肉的に継承されてきた原罪を清算することができないままでいるので、サタンの血統を離脱できなかったという点においては、旧約時代の信徒たちと何ら異なるところがないのである。このように、キリスト教信徒たちは、神と血統を異にする子女であるので、神の前では養子とならざるを得ないのである」(431ページ)

 このように、霊的真の父母であるイエス様と聖霊による「霊的重生」による新約時代の救いによって、クリスチャンたちは、すでに「養子」の立場になっているというのが『原理講論』の見解です。
 したがって、イエス様が果たせなかった堕落人間の「原罪清算」を成し遂げ、堕落人間に長成期完成級を越えさせて神の血統に生み変えるため、再臨主は来られることを、次のように『原理講論』は明言しています。

 「神の復帰摂理の目的は、このように神との血縁関係が断たれてしまった堕落人間を復帰して、神の直系の血統的子女を立てようとするところにあるのである。……イエスは、原罪のない、神の血統を受けた直系のひとり子として来られ、堕落したすべての人類を彼に接がせて一体となることにより、彼らが原罪を脱いで神の直系の血統的子女として復帰することができるように摂理しようとしてこられたのである。……しかし、弟子たちまでが不信に陥ったために、イエスは、洗礼ヨハネの立場から、一段上がってメシヤの立場に立つことができないままに、十字架で亡くなられたのである。……それゆえに、イエスは、すべての人類を、神の血統を受けた直系の子女として復帰するために、再臨されなくてはならないのである」(430~432ページ)

 このように、再臨主は、堕落人間の原罪を清算し、「神の血統を受けた直系の子女として復帰するために、再臨されなくてはならない」というのです。再臨主によってもたらされる救いとは、新約時代の「養子養女」の救いのレベルではありません。
 次に、お父様のみ言を引用します。

 「霊界にいる人々も、真の家庭が必要です。その真の家庭がなければ、神様の位置に連結されず、天国に入っていくことができません。地上天国で暮らした夫婦も、あとから天国に入っていくようになります。……その家庭は、誰によるものでしょうか。真の父母の家庭です。今まですべての家庭は、偽りの血統で連結されていました。本然の家庭ではなかったのです。祝福家庭が現れることによって、神様の血統が連結された真の家庭が生まれるようになったのです(八大教材教本『天聖經』2171ページ)

 「『天一国主人、私たちの家庭は真の愛を中心として、本然の血統と連結された為に生きる生活を通して、心情文化世界を完成することをお誓い致します』……
 『家庭盟誓』の7節が重要です。簡単ではあっても重要なのです。『私たちの家庭は真の愛を中心として、本然の血統と』です。本然の血統です、堕落していないアダムの、堕落と全く因縁のない本然の血統を受け継いで、『本然の血統と連結した心情文化世界を完成することをお誓い致します』です。私たちの世界は、心情文化世界です」(八大教材教本『天聖經』2391ページ)

 金鍾奭氏は、顯進様の認識をもとに真の父母様の祝福によって〝血統転換〟された祝福家庭に対して、それを「養子養女の家庭である」と主張しています。養子養女とは、直系ではなく血統が異なっていることを意味しています。
 確かに、祝福家庭は、真の父母様の直系家庭と、生物学的な意味での血筋の繋がりがないために、「養子養女の家庭」と言われると、そのように思ってしまう人がいるかもしれません。しかし、『原理講論』にあるように、真の父母様から祝福を受けて〝血統転換〟された祝福家庭は、すでに神の血統と連結した立場なのです。したがって、真の子女様と祝福家庭とは、真の父母様を中心とする同じ神の血統としての兄弟姉妹の関係です。

 真の父母様の直系の子女様と祝福家庭とは、同じ真の父母から生まれたアベルとカインの関係であり、同じ父母を中心とした兄弟姉妹なのです。金鍾奭氏が述べる顯進様のアイデンティティの祝福家庭を真の家庭に『接ぎ木されて神様の血統』に復帰された拡大された真の家庭であり、養子養女の家庭であると認識する」という主張は原理的にも、真のお父様のみ言から見ても誤っています。
 祝福家庭は、「拡大された真の家庭」ではなく、〝皇族〟としての、真の父母様を中心とする真の家庭に血統的に連なっている一員なのです。

 真のお父様は、「真の父母の血族にならなければなりません。血統が連結されたものは、父子関係です。真の父母の真の子女にならなければなりません。それが祝福家庭です。アダム家庭で堕落してこのようになったので、反対にひっくり返したのが祝福家庭です」(天一国経典『天聖經』929ページ)と語っておられ、祝福によって〝血統転換〟された祝福家庭に対して、明確に「真の父母の真の子女にならなければなりません。それが祝福家庭です」と語っておられます。
 金鍾奭氏が顯進様の認識として言うような、祝福家庭は真の父母様の「養子養女」なのではありません。

 『原理講論』には、家庭は父母がいて初めて成り立つのであり、また、そこにおいてのみ、真の兄弟愛は生まれてくるのである。したがって、今や人類の親であるイエスだけが再臨すれば、全人類は一つの庭園において、一つの大家族をつくり、一家団欒して生活し得るようになっているのである」(166ページ)と論じられています。
 もし、祝福家庭を「真の父母」と血統が繋がっていない養子養女と見るならば、それはキリスト教における〝霊的救い〟の次元の救いにとどまっている立場であり、真の兄弟愛の関係を築くことはできません。
 『統一教会の分裂』は、真の父母様の思想と異なることを平然と述べており、誤った主張であるという事実が明白となります。そして、この〝養子養女〟の主張のもとは顯進様の認識であるということであり、顯進様の認識自体が真の父母様の思想と異なっているということが明らかなのです。
https://trueparents.jp/?page_id=3461


補足

①祝福家庭は、「実子ではない祝福家庭」なのか?

 UCI側を支持する人々は、み言を歪曲して解釈し、誤った「重生論」を述べています。まず、彼らの主張を、以下引用します。

  (教理研究院は)重生の原理における真の子女様の位置の重要性を誤魔化しています。勿論、重生というのは再び生まれるのですから、父母を通して重生されます。しかし本来は実子ではない祝福家庭がどのようにして父母様の実子の位置に帰るのかと言えば、実子である真の子女様と一体となることによってこそ、真のお母様の胎中、さらには真のお父様の骨髄の中の種と一つになることができるのです。また、その種は、男性の子女様に相続されています。ちなみに教理研究院は上記の説明において、真の母の胎中という話はしていますが、どういう訳か真のお父様の骨髄の中の種には言及していません」(注、太字アンダーラインは教理研究院によるもの)

 「櫻井節子先生が顯進様を『直接的なお兄様』として大切に感じておられることは、真の父母様を無視することではなく、実体の神の血統の種を持った男性の子女様に連結されることを通して真の父母様によって重生されるという原理を忠実に実践されるものです」

 彼らは、以上のように主張しています。

 UCI側の主張の問題点は、祝福家庭を「実子ではない祝福家庭」と定義している点にあります。彼らは、その主張の根拠として、以下のみ言を用いています。

 「養子である者たちが主の真の子女になるためには、イエスの真の子女に接ぎ木されなければいけません。彼らは主の子女たちを愛すことによって、彼らを通して救われることができるのです」(注、これはUCI側の翻訳文、マルスム選集52巻、1971年12月26日)

 彼らが引用したこのみ言によると、「養子である者たちが主の真の子女になるためには、イエスの真の子女に接ぎ木されなければいけません」とあります。彼らは、このみ言に基づいて、祝福家庭を「実子ではない祝福家庭」であり「養子である者たち」と見ているのです。
 果たして、お父様がこのみ言で語っておられる「養子である者たち」とは「祝福家庭」を指して述べておられるかどうか、原典に当たって確認しておかなければなりません。
 以下、彼らが引用していない部分をも含めて、その前の部分から翻訳します。

 「主(メシヤ)には、アダム家庭においての三天使長と堕落した三人の息子と同じ立場にいる三人の息子がいなければなりません。そのような立場に立った人たちがペテロ、ヤコブ、ヨハネでした。彼らは直接的な血統関係を持っていたのではありません。彼らは養子の立場にいました。養子である彼らが主の真の子女になるためには、イエスの真の子女に接ぎ木されなければいけません。彼らは主の子女たちを愛することで、彼らを通して救われることができるのです。主イエスが結婚をしていたら、この三人の息子も結婚をしていたのです」(マルスム選集52-124、1971年12月26日)

 このお父様のみ言を、直前の部分をも含めて読んでみると、「養子である者たち」とは、彼らが主張するように「祝福家庭」を指しているのではなく、新約時代の救いを受けて、〝養子〟の立場にいる「ペテロ、ヤコブ、ヨハネ」、すなわち〝三弟子〟(三天使長)のことを指して語っておられることが分かります。
 それゆえ、上記のみ言を用いて、祝福家庭を「実子ではない祝福家庭」であり、養子養女の立場だと定義しているUCI側の主張は誤っています。

②UCI側が主張する〝重生論〟の根本的な誤り

 彼らが定義している「重生論」には、根本的な誤りがあります。
 彼らの主張によれば、養子養女の立場である「実子ではない祝福家庭」が、「父母様の実子」の位置に帰るには、真の父母の「実子である真の子女様」と一体となることであると主張します。そして、「実子である真の子女様」と一体となることで「真のお母様の胎中」「真のお父様の骨髄の中の種」と一つになることができるというのです。彼らは、重生で一番重要なことは「実子である真の子女様」と一体となることだと主張するのです。

 彼らは、その根拠として、『訪韓修練会御言集』(光言社刊)の「真の父母と重生」(185~186ページ)というみ言から、以下の内容を引用します。

 「これに、入ってくる時は左のほうから入ってくるのです。分かりましたか? なぜ左のほうから入るかというと、お母様が左のほうだからです。入ってきてお母様の腹の中に入ったとしても、その入った子供とお母様の根っこは何かというと、渋柿の根っこから切って取り返してきたものです。分かりますか? それが天の家庭に入るには、手続きをしないといけないのです。何の手続きかというと、愛の手続きです。だから、真のお母様の腹の中に入っていても、それは真のお父様の真の愛と真の血統にはまだつながっていないのです。お母様は真の愛と真の血統を持っていません。向こうのほうなのです。それは、新婦の立場で、新郎を迎えて一つとなるということです。分かりましたか? 分かりましたか?  (はい!)。全世界がここに入ってきて、それからどうなるかというと、真の父母の夫婦関係によって、はらんだ子供、その者を、真のお父様の真の愛を中心に、真の子供の種を持ったお父様が愛の関係を結ぶことを、実感したあとに生まれたと同じようになるのです。そのような期間を通過しながら、お母様の腹の中に入った子供たちが、真の父の子供の種が真っ赤だったとするならば、愛の関係を繰り返すことによって、色が染められていって、ピンクからだんだん深まっていくのです。ピンクからでもそうなったとすれば、真の父母の愛と真の子供の種と接ぎ木したという、つないだということになるのです。分かりますか? こっちは本物で、こっちは偽物で、(先生がしぐさされる)兄さんと弟と同じです。分かりましたか? そういうふうに一つとなった状況をもって、それはずーっとこれを回って、母の腹の中を通して、先生の体を通して、再びお母様の腹を通していくのです。右のほうを通してです」(1993年12月20日、韓国・済州研修院「真の父母と重生」、『訪韓修練会御言集』185~186ページ)

 上記のみ言で、真のお父様は、真の父母による重生とは、「母の腹の中を通して、先生の体を通して、再びお母様の腹を通していく」と語っておられます。
 UCI側が主張するように、「実子である真の子女様」と一体となることで、「真のお母様の胎中」「真のお父様の骨髄の中の種」と一つになるのだと語っておられるわけではありません。堕落人間が重生される唯一の道は、真の父母様に〝接ぎ木〟されることです。真の子女様が生み変えてくれるのではありません。事実、1988年の6500双以降の祝福において、真の子女様が「真の母」の胎中に宿っておられたわけではありません。しかし、6500双以降の祝福も重生はなされているのです。
 お父様は、「真の父母の夫婦関係によって、はらんだ子供、その者を、真のお父様の真の愛を中心に、真の子供の種を持ったお父様が愛の関係を結ぶことを、実感したあとに生まれたと同じようになる」と語っておられるのです。
 したがって、どこまでも、重生とは「真の父母の夫婦関係」によって、「お母様の腹を通していく」胎中における〝血統転換〟なのであって、彼らが言うように「実子でない祝福家庭」「実子である真の子女様」と一体となって真の母の胎中を通していくというような〝重生〟ではないことが分かります。

 【補足】ちなみに、このみ言で、お父様が「兄さんと弟と同じです」と語っておられるのは、このみ言の続きの部分を読むと分かりますが、「ハンダ付け」として、お父様と祝福を受ける男性の関係について述べておられるものです。決して、顯進様と祝福を受ける男性の関係を述べておられるのではありません。お父様は、この「ハンダ付け」について、次のように語っておられます。
 (祝福を受ける)女は真のお母様に対して、(真のお母様が)お姉さんだとすれば妹であり、それから(祝福を受ける)男は将来どうなるかというと、(真のお父様が)真の完成した第一代のアダムとすれば、それにハンダ付けして、復帰されたアダムとしてつくってあげることによって、第二番目の妹と第二番目のアダム、その時に祝福を受けて、自分の相対を得ることができます」(1993年12月20日、『訪韓修練会御言集』186~187ページ)。
 このみ言と、ほぼ同じ時期に語られたみ言でも、お父様は「ハンダ付け」として、次のように語っておられます。「原理からすれば、一人の男が二人の女とつきあうことはできないから、妾(注、祝福を受ける女性)の旦那さんを、アダムを、接ぎ木して、ハンダ付けしてつくってあげるのです。先生は完成された旦那さんの立場ですから、弟の立場、第二番目のアダムをつくるのです。あなたたちの旦那さんたち、天使長を連れて来て、昔16歳の時に堕落した、その堕落前の基準が残っているから、そこに完成されたアダムの勝利の実体を接ぎ木するのです。偽りの実体から生まれたものを皆接ぎ木して、ハンダ付けして、サタンの讒訴圏を逃れるような解放圏に立たせて、真の父母様が、これは自分のものということを認定してあげれば、第二のアダムとして立って、自分の前の奥さんと共に結婚することができるのです」(1994年1月2日、『祝福』1994年春季号、26~27ページ)。
 このように、お父様は、ご自身を「第一代のアダム」「完成されたアダム」と語っておられ、それに対し、祝福を受ける男性を「弟の立場」「第二のアダム」と述べておられます。

 さて、UCI側は、祝福家庭を「実子ではない祝福家庭」であり「養子養女」の立場であると定義しており、そこにこそ、「重生論」を混乱させる要因があると言わざるを得ません。
 この内容を整理するため、上記の引用したみ言部分から、彼らが引用していないその続きの部分を、以下述べておきます。(注、茶色の字までが、彼らが引用した部分)

 母の腹の中を通して、先生の体を通して、再びお母様の腹を通していくのです。右のほうを通してです。国家的お母様の腹、氏族的メシヤのお母様、家族的メシヤ、復帰された160の家族メシヤの基台に行って再び生むことになるのだから、サタンの血統とは全然関係がないのです。別個の天的本来の真の父母から出発した子女の立場に立つのだから、天上、地上天国に、お母様と真の父母によって、入ることができるのです」(1993年12月20日、韓国・済州研修院「真の父母と重生」、『訪韓修練会御言集』186ページ)

 真のお父様は、ここで「再び生むことになるのだから、サタンの血統とは全然関係がない」と語られ、「真の父母から出発した子女の立場に立つ」ので、それゆえ「天上、地上天国に、お母様と真の父母によって、入ることができる」と語っておられます。
 このお父様のみ言から見たとき、祝福家庭は「実子ではない祝福家庭」という観点ではなく、どこまでも「真の父母から出発した子女」の立場であり、真の父母によって重生された祝福家庭とは、神様の血統に転換された〝実子の立場〟であるのが分かります。

 以上のことから、UCI側が主張している、祝福家庭を「実子ではない祝福家庭」と捉え、「養子養女」の立場であると主張することは、完全な誤りであることを知らなければなりません。
 私たちは、UCI側を支持する人々が、桜井節子氏の誤った行動を弁明したいあまりに、お父様のみ言の前後の意味を隠蔽し、歪曲した解釈をすることで、彼らUCI側が「真の父母による重生」以上に、「真の子女による重生」という、誤った「重生論」を主張していることを明確に理解しておかなければなりません。

 ところで、上述のみ言の中から、「それは真のお父様の真の愛と真の血統にはまだつながっていないのです。お母様は真の愛と真の血統を持っていません」という部分だけを抜き出して、「お父様は、お母様が堕落人間の血統であることをはっきりと語っておられる」と批判する人物もいます。この「真の父母様宣布文サイト」に連載している〝虚偽を暴く〟シリーズ(7)で指摘しているように、彼らは「血統」の概念を誤って捉える傾向をもっています。
 お父様が、「血統は夫婦が愛するその密室、奥の部屋で結ばれるのです。そして、精子と卵子が出合って生命体として結合するとき、血統が連結されるのです」(『ファミリー』1995年3月号、22ページ)と語っておられるように、血統は父と母の二人でつながるものです。血統の連結は、父一人でも、母一人でも生じることはありません。そのような理解に基づいて、誤解が生じないよう補足して述べれば、「お母様(お一人で)は真の愛と真の血統を持っていません」ということであって、決して「お母様が堕落人間の血統である」という意味ではありません。
 『原理講論』の「重生論」に、「父は一人でどうして子女を生むことができるだろうか。堕落した子女を、善の子女として、新たに生み直してくださるためには、真の父と共に、真の母がいなければならない(264~265ページ)とあるように、血統の連結や重生には、真の父と真の母のお二人が不可欠なのです。もしも、「お母様が堕落人間の血統である」というならば、父お一人でお母様を生み変えたとでもいうのでしょうか? 血統の連結や重生は、一人ではできません。分派側の批判や言説は、「重生論」と矛盾する非原理的な考え方に過ぎません。https://trueparents.jp/?page_id=3524

創始者の使命は特定の宗教の創設ではないとする欺瞞


まず、問題となる『統一教会の分裂』(日本語訳)の内容を引用します。

 「第四に文顯進は、自分の父である創始者の使命を特定の宗教や特定の教派の創設ではなく、『真の父母と真の家庭の実体的な基盤を通じて、人類を天の血統に転換させることによって人類救援を実現すること』と規定する」(64ページ)

 確かに、お父様は、「1954年に、私は韓国のソウルにおいて正式に統一教会を創設しました。1954年の5月1日に……北鶴洞の小さな家で看板を掲げて出発したのです。私は教派をつくろうとしませんでした。名前は『世界基督教統一神霊協会』なのですが、それをつくろうとしたのではありません。教派を超越した超教派的な面において運動をしようとしたのですが、受け入れなかったのです。それで仕方なく、統一教会をつくったのです」(『真の御父母様の生涯路程③』26ページ)、さらに、「私は教会という言葉が好きではありません。仕方がなく教会という看板を付けたのです。私は統一教会をつくって、『ああ、神様! 統一教会をつくったので、私は誇らしく思います』と、そのようには思いません。統一教会という看板を掲げてはいますが、この看板をいつになったら取り外すことができるか、という考えをもっています(同、29~30ページ)と語っておられます。

 そのような意味から述べれば、「創始者の使命を特定の宗教や特定の教派の創設ではなく…」というのは間違いではありません。しかしながら、お父様は、統一教会を創立したこと自体を否定しておられるのではありません。もし、上述のみ言を、統一教会を否定する意味で用いているとするならば、それは、お父様のみ言に基づいた正しい主張とは言えません。

 次に、お父様のみ言を引用します。

 「今日は協会創立27周年になる記念日です。……我々の団体が創立されたのはある個人の目的を達成するために創立されたのではありません神様のみ旨の完成のために、神様のみ旨成就のためにこの団体が始まり、出発されたことは言うまでもないのです」(マルスム選集113-92)

 「皆様、侍義時代とは、神様に侍って暮らす時代です。……後天時代には、神様御自身が真の父母の姿で万人の前に顕現します。したがって、真の父母に侍る統一教会の地位は、世の中のどのような力や勢力とも比較できない天の権勢として現れるようになるのです。生きていらっしゃる神様を皆様が直接目で確認し、感覚で体恤できる圏内において、侍る生活を送る皆様を、誰が妨げることができるというのでしょうか」(『平和神經』295ページ)

 金鍾奭氏は、顯進様が、真のお父様の使命を「特定の宗教や特定の教派を創設することではない」としていると、ことさらにそれを強調します。しかしながら、真のお父様は統一教会創立27周年の記念日に語られたみ言で、統一教会の創立について、上述のように語っておられるのです。
 統一教会を創立したのは、「神様のみ旨の完成のため」「神様のみ旨成就のため」であるとはっきりと語っておられるのです。お父様の使命とは、神様のみ旨の完成であり、そのために統一教会は設立されたのです。
 前述したように、『平和神經』でも、お父様は、「真の父母に侍る統一教会の地位は、世の中のどのような力や勢力とも比較できない天の権勢として現れる」と語っておられるのです。

 さらに、問題となる『統一教会の分裂』(日本語訳)の部分を引用します。

 「文顯進は、『神様→真の父母→真の家庭→拡大された真の家庭(祝福家庭)』と繋がる血統復帰の価値を固守しており、超宗教的な奉仕と理想家庭実現の為の平和理想世界実現運動を『One Family Under God』の名前で展開している。ところが、文顯進も真の家庭(創始者の直系家庭)の血統が全人類に伝授される(何らかの)儀礼としての手段が必要だったものと見られる。それ故か、2015年6月に米国シアトルで祝福結婚式を主管したという。推測すると彼は、創始者が今まで示してきた血統復帰の為の伝統や儀礼を、普遍的で世界化された儀礼にデザインし直して引き継いでいくように見られる」(66ページ)

 「文顯進は、最近GPFのほかに、FPA(Family Peace Association・家庭平和協会)を組織し、その使命を…(…神様を中心とした家庭の実現を図り、その家庭の世界的連合活動を通じて世界平和創建に注力する国際的な組織である)と決定したと言う」(314ページ)

 「FPAの特性を……①FPAは、創始者が世界平和統一家庭連合を通して実現しようとしていたものを目標としている」(314ページ)

 UCI側を支持する人々は、統一教会や家庭連合を設立することが目的ではないと、ことさらに強調することで、〝真の父母と真の家庭(直系家庭)の実体的基盤を通じて天の血統に転換させるためにFPA(家庭平和協会)という別の団体を設立してもいい〟という口実を得たいがため、このように強調しているものと言えるでしょう。
 つまり、彼らが主張する〝真の家庭のアイデンティティ〟という誤った言説によって、真の子女様家庭が、真の父母の承認を得ないで「新たな団体」を創設し、子女様による「祝福」によって血統復帰らしきことを行おうとする行為を自己正当化するために、このように語っているものと考えざるを得ません。

 マルスム選集323巻に、お父様が文顯進様に対して語られた「警告」のみ言があります。以下、引用します。

 (「私は今日、準備するものがあります、お父様。」)準備するものを私は知らない。(「指導者会議と顯進様が今回の巡回に対して整理しなければなりません。」)整理して何をするの?(「とても大きな事件ですので、我々は歴史的な記録として…。」)歴史的な記録が何なの? 統一教会の歴史の中で青年が統一教会の頂上ではありません。(「知っています。ですが我々なりに…。」)我々なりに? 自分なりにしては脇道に行ってしまう。(「それはとても老婆心です。」)何、老婆心? 誰が老婆心か? 誰の前でそんな話をしているのだ? 自分について言っているのか、先生について言っているのか? 言葉をいいかげんに言っている。誰が老婆心を持っている、誰が? (「顯進様は、お父様に対する栄光とお父様が…。」)その栄光が、父の栄光ではなく、神様の栄光となり、統一教会の栄光にならなければならないよ。伝統をどこに立てるの? 父の伝統に従って、母の伝統に従って、三番目に息子である。それを知っているの? 母は伝統を立てる過程です。終わっていません。母の伝統を立てる前に息子の伝統を立てることができないことを知っているの? それを知っているの? (「はい、知っています。」)それなのに、そんなことを言うの? 収拾するとすれば、お母様がなさることはなぜ収拾しないの?」(マルスム選集323-83、2000年5月31日)

 「顯進は私が前に立たせているのです。立たせることで、先生より前面に押し立てて報告するなというのです。わかりますか。何のことか? 統一教会から党派をつくる輩(分派)になります、党派をつくる輩(分派)。党派をつくる輩(分派)です、わかりますか? 自分たち同士で策を打ち出して、そこに先生を引きずり込んでこの世をどのように作ろうとするの? 恐ろしく、とんでもないことです。ですから、転換時代に精神を引き締めなければなりません。自分の立ち位置を知らなければなりません」(マルスム選集323-91~92、2000年5月31日)

 2000年5月31日に語られたお父様にみ言には、伝統とは、父と母が立てた伝統に従って息子が伝統を立てなければならないとおっしゃっておられます。この2000年当時の時点は、真のお母様が伝統を立てられるための過程におられ、お父様は、まだその過程は終わっていないと語っておられます。
 そして、ある報告者が、「顯進様のお父様に対する栄光」と顯進様がしておられることを賛美しましたが、それに対してお父様は、「神様の栄光であり、統一教会の栄光にならなければならない」と語っておられます。このことからしても、お父様の創設された統一教会とは、「真の父母に侍る統一教会の地位は、世の中のどのような力や勢力とも比較できない天の権勢として現れる」団体であるのです。

 また、2000年3月31日に世界大学原理研究会の世界会長に文顯進様が就任されました。しかし、同年5月31日のみ言で、お父様は、文顯進様をお父様より前面に押し立てて報告するようになってしまうと、「統一教会から党派をつくる輩(分派)になります」と語られて、今あるUCIの姿を予見するかのように心配しておられるのです。
 実際に、お父様が心配された通り、今、「文顯進は、最近GPFのほかに、FPA(Family Peace Association・(家庭平和協会)を組織」し、「創始者が世界平和統一家庭連合を通して実現しようとしていたものを目標としている」行動を取っていることを見たとき、かつて、真のお父様が心配しておられたように、顯進様を中心とするUCI側は、統一教会から別の党派をつくってしまう輩(分派)となり、誤った行動をとっていることを知らなければなりません。

 以上、『統一教会の分裂』の内容を、お父様のみ言と『原理講論』に基づいて、さまざまに検証してみると、この金鍾奭氏の書は、顯進様の話しや認識、行動などをもとに数々の非原理的な主張をしており、それらの言説は、真の父母様の位相を失墜させるだけでなく、み言の正確な理解やみ旨の推進に対しても、多大な支障を生じさせる〝悪書〟であると言わざるを得ません。
 『統一教会の分裂』が述べている〝統一教会の核心アイデンティティ〟および顯進様の数々のアイデンティティが、ことごとくみ言や『原理講論』の主張と異なっている事実を見たときに、真のお父様がご生前、「顯進について行ってはならない」となぜ私たちに語っておられたのか、その理由を改めて痛感せざるを得ません。

 私たちは2011年天暦4月23日(陽暦5月25日)に「真の父母様宣布文」を公表せざるを得なかった真の父母様の辛いご心情に思いを馳せ、決してUCI側が主張する〝偽りのアイデンティティ〟に惑わされないようにしなければなりません。そして、UCI(いわゆる「郭グループ」)側が、真の父母のもとを離れて独自に行っている活動に組みするようなことがあってはなりません。もうこれ以上、真の父母様を悲しませることがあってはならないのです。
https://trueparents.jp/?page_id=3461


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